微小粒子状物質(PM2.5)の測定機器3
<等価測定法(自動測定機)>
自動測定機は、連続して測定できることが特徴で、機器によっては日平均値だけでなく時間値も測定できます。標準測定法に比べてメンテナンス頻度が少なくて済むので、濃度の常時監視に向きます。年間測定を行うことで年平均値の代表性も十分に担保できることが利点といえるでしょう。
測定原理は、フィルタ振動法、ベータ線吸収法、光散乱法と機器によって様々ですが、いずれも振動数測定や光量測定などの間接測定であり、機械的な誤差が生じます。そのため、直接測定である標準測定法と比べると、誤差要因が増えることが欠点といえます。
自動測定機の例としてはTEOM 1405DF(Thermo)や5030 SHARP Monitor (Thermo)があり、これらは現在、環境省の調査で使用されています。
なお、国内の等価測定法の評価はこれからで、認定されている自動測定機はまだありません(2009年8月現在)。
自動測定機の設置も、フィルタ法と同じように機器上部に採取口を配置する必要があります。自動測定機の場合、写真のような専用シェルターや、測定局舎内に収納する場合には真上に配管用の穴が必要となります。
<最後に>
PM2.5は、以前より人体への健康影響が問題視されていましたが、疫学的知見の集積や影響評価などの検討を重ねることで、ようやく環境基準が制定される段階まできました。今後はPM2.5対策に向けた取組が必要で、これからの調査研究がますます重要となるでしょう。
常時監視や低減対策などに、最も基本的で重要なことは、どのような測定方法を用いたとしても、既定された条件のもとで正確な濃度を測定することです。
微小粒子の濃度測定はこれまで以上に厳しい精度管理が求められ、自動測定機においても標準測定法と常に等価な値を測定できることが前提になります。
私たちは、測定を担う会社として、精度管理を徹底し、適切な測定を常に心がけていきたいと考えています。
【参考文献】
※ 微小粒子状物質に係る環境基準の設定について(答申)
別添2 中央環境審議会大気環境部会 微小粒子状物質測定法専門委員会報告
微小粒子状物質(PM2.5)の測定機器1
微小粒子状物質(PM2.5)の測定機器2
微小粒子状物質(PM2.5)の測定機器3