FFT(高速フーリエ変換)
【FFT(高速フーリエ変換)とは】
- FFTとは、高速フーリエ変換(Fast Fourier Transform)の略称です。
- FFTとは、フーリエ積分を利用した、時間領域(波形)と周波数領域(波形)の変換公式です。
- 順変換は時間から周波数への変換、逆変換は周波数から時間への変換を表します。
- フーリエ変換を行うことにより、音や振動の持つ波形が、どのような周波数と振幅を持つ波形の合成で成り立っているかを知ること(スペクトル分析)ができます。
【FFT使用の背景】
フーリエ変換を、デジタル化したものを離散的フーリエ変換(DFT:Discrete Fourier Transform)と言いますが、これまでその演算には膨大な量の計算を要しました。1965年に米国ベル研究所のJ.W.Cooley と J.W.Tukeyによりこの演算時間を短縮する解法が提唱され<高速フーリエ変換>、広く普及することになりました。【FFTを利用することで、解決できる問題点】
音響や振動といった測定対象において騒音計や振動計のレベルのみでは、その大小しか判断できず、解析と言えば時間領域での解析が主であり、その変化量が何に起因しているのかを求めることは困難です。FFTを利用することによって、どの周波数に変化が生じたか、その周波数は何に起因するものか等を検討することが可能になり、騒音、振動の発生原因及びその静穏対策などを検討することができます。【ムラタの取り組み】
ムラタのFFTを利用した測定技術が、騒音、振動の各種精密な測定、機器から発する異常な騒音、原因不明な振動、揺れなどの問題を解決するためにお役に立てると思います。ぜひ、弊社にお声をおかけください。お待ちしております。
【調査手法】
- (騒音)建設機械の音響パワーレベル測定 建設機械が発する騒音のオクターブバンド音響パワーレベル及び指向特性を把握し、卓越した騒音周波数の発生位置と防音対策を検討した。
- (振動)常時微振動スペクトル解析 道路を通過する車両が発する振動周波数の距離減衰と、車両通過後に残留する微振動を観測した。
- (振動)構造物振動起因解析 構造物の揺れと、道路を通過する車両が発する振動の関連性をパワースペクトルとコヒーレンス関数により検証した。
【測定機器】
■表. 当社で使用する測定機器の組み合わせ例機器名 | メーカー | 型式 |
精密騒音計 | リオン(株) | NL-14 |
汎用振動計 | リオン(株) | VM-83 |
データレコーダ | ソニーマグネスケール(株) | PC-204AX |
サーボ加速度センサ | リオン(株) | LS-20C |
メモリハイコーダ | 日置電機 | 8840 |
FFTアナライザ | (株)小野測器 | DS-2000 |