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マイクロプラスチック 分析


【マイクロプラスチックについて】

私たちが日常で使うコンビニ袋やペットボトルなどのプラスチック製品は、風や雨によって川に流れ出し、最終的には海へとたどり着きます。劣化して小さくなったプラスチックは、魚が誤って食べてしまうことがあり、その魚が私たちの食卓にのぼることで、人体にも影響が及ぶおそれがあります。こうした悪循環を防ぐためには、プラスチックが自然環境や私たちの暮らしに与える影響を正しく知り、一人ひとりが意識を持って行動することが大切です。

マイクロプラスチック



【環境への影響】

世界中の海では、直径5mm未満のとても小さなプラスチック片「マイクロプラスチック(MPs)」が発見されており、その量は年々増加しています。日本近海でも同様に多くのマイクロプラスチックが確認されており、発生源の特定と対策が検討されています。
これらのマイクロプラスチックは魚や貝などが誤って食べてしまうことがあり、体内に取り込まれたプラスチックは、食物連鎖を通じて人間にまで影響を及ぼす可能性があります。さらに、プラスチックに含まれる添加剤や、海中で吸着した有害な化学物質が、環境や生き物に悪影響を与えることも懸念されています。また、マイクロプラスチックに付着した微生物や化学物質が海流に乗って拡散し深海へと沈んでいくことで、海の生態系全体への影響も広がっていると報告されています。複雑で広範な影響を正しく理解することが未来の海を守る第一歩になります。


【マイクロプラスチック対策、調査の動向】

プラスチック汚染問題に対し国際社会も動き始めています。2022年11月には、国連がプラスチック汚染に関する国際条約の策定に向けた交渉をスタート。日本も2023年5月「2040年までにプラスチック汚染を終わらせる」という目標を掲げる高野心連合に加わり積極的な姿勢を示しています。
国内でも、日本近海の海底から大量のマイクロプラスチックが発見されており、その影響は海だけでなく、空気中にも広がっています。最近では、大気中に漂う微小なプラスチック粒子「大気中マイクロプラスチック(AMPs)」の研究も進められています。空気中の粒子は、私たちの呼吸を通じて肺に取り込まれたり、食品に混入することもあり、健康への影響が懸念されています。気候変動との関連や、生態系バランスなども注目されており、マイクロプラスチックの包括的な対策が必要となっています。


【ムラタの取り組み】

ムラタ計測器サービスは、マイクロプラスチック問題に貢献しています。環境省の「河川・湖沼マイクロプラスチック調査ガイドライン(令和6年版)」に準拠し、水試料中の1mm〜5mmサイズのプラスチックを、画像処理・寸法測定・面積解析・IRスペクトルによる成分同定などの手法で分析します。
対象とするプラスチック樹脂は、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ポリアミド(PA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)の5種類。これらは環境中で多く見られる樹脂であり、発生源の特定や対策に貢献できます。


【関連WEBサイト】

  • 技術情報 環境関連の技術情報を分かりやすく解説。
  • MURATA’S Quarterly 社内四季報。
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