主な重金属類一覧
項目 | 関係法令 | 人体への影響 | |
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急性影響 | 慢性影響 | ||
カドミウム | 健・排・上・地・下・土・農・土対・廃 | 呼吸器障害・急性肺炎 | 食品を経由した経口摂取による腎臓障害 (イタイイタイ病の原因物質) |
鉛 | 健・排・上・地・下・土・土対・廃 | 四股の麻痺が特徴。 顔面蒼白・嘔吐・下痢・血便・脈頻・腎障害 |
疲労・頭痛・四股の感覚障害・痙攣・排尿障害 |
六価クロム | 健・排・上・地・下・土・土対・廃 | 皮膚の火傷・びらん・壊死・吸入暴露での呼吸困難・経口摂取での嘔吐・下痢や肝障害・腎障害 | 皮膚のクロム潰瘍・吸入暴露での鼻中隔壁穿孔等 |
ひ素 | 健・排・上・地・下・土・農・土対・廃 | 経口経路による急性毒性が強い。 めまい・頭痛・四股の脱力・全身疼痛・麻痺・呼吸困難、胃腸障害(嘔吐・下痢) |
皮膚の角質化・皮膚癌 (森永ヒ素ミルク事件、毒物カレー事件の原因物質) |
セレン | 健・排・上・地・下・土・土対・廃 | 元素自体は比較的刺激性がなく吸収されにくい。 蒸気になると強い毒性。 目(結膜炎・角膜壊死)、皮膚(熱傷・湿疹)、吸引(嗅覚欠如・鼻、のどの刺激症状) |
貧血・胃腸障害 |
水銀 | 健・排・上・地・下・土・土対・廃 | 脂溶性が高いため、体内に蓄積されやすい。 水銀蒸気の吸入暴露によるによる呼吸不全 |
呼吸器・消化管・腎臓・中枢神経系に影響あり。 呼吸困難・肺水腫・嘔吐・神経障害 (水俣病の原因物質) |
アルキル水銀 | 健・排・地・下・土・土対・廃 | ||
ほう素 | 健・排・上・地・下・土・土対 | 消化管症状・中枢神経症状・皮疹 | 脱毛・皮膚の孔斑・精神錯乱 |
銅 | 生・排・上・下・廃 | – | 皮膚接触で皮膚炎・変色、蒸気を吸引で金属熱 |
亜鉛 | 生・排・上・下・廃 | 皮膚刺激性はほとんどない。高温化では比較的揮発しやい。 ヒューム吸引で数時間後に悪寒・高熱 |
– |
鉄 | 生・排・上・下 | – | 過剰暴露で、嘔吐・下痢・胃腸障害 粉塵吸引で、呼吸器障害・じん肺 |
マンガン | 生・排・上・下 | 神経障害、倦怠感・頭痛・関節痛 | 粉塵またはヒュームの長期間吸入で肺障害 |
ニッケル | 廃 | – | 汗で溶解したニッケル塩で皮膚炎 ニッケル製錬による粉塵暴露作業者には呼吸器のガン |
健:人の健康の保護に関する水質環境基準
生:生活環境の保全に関する水質環境基準
排:排水基準
上:水道水の水質基準
地:地下水の環境基準
下:特定事業場からの下水の排除の制限に係る環境基準
土:土壌の環境基準
農:農用地汚染対策地域の指定要件
土対:土壌汚染対策基準
廃:産業廃棄物の埋立処分に係る判定基準
その他の物質
項目 | 関係法令 | 人体への影響 | |
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急性影響 | 慢性影響 | ||
シアン | 健・排・上・地・下・土・土対・廃 | 蒸気は極めて有毒。吸引暴露のほか皮膚からも吸引される。 多量のガスで呼吸麻痺により死に至る。 少量の場合、呼吸痙攣などの刺激症状、呼吸麻痺で倒れる。 呼吸器系、中枢神経系への毒性症状 |
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ふっ素 | 健・排・上・地・下・土・土対・廃 | 吸入暴露により眼・皮膚・呼吸器への強い刺激性 | 骨のふっ素沈着症・斑状歯・消化器異常等 |