内分泌かく乱化学物質(環境ホルモン) 分析 測定
【内分泌かく乱化学物質(環境ホルモン)とは】
- 内分泌かく乱化学物質(環境ホルモン)とは、内分泌系に影響を及ぼすことにより、生体に障害や有害な影響を引き起こす外因性の化学物質のことです。
- 「環境ホルモン」は、一般市民にもわかりやすくするためにつけられた通称です。
- 「SPEED’98」(1998年5月 環境庁)に「内分泌かく乱作用を有すると疑われる化学物質」が掲載されました。
- ノニルフェノール、4-t-オクチルフェノールおよびビスフェノールAの3物質が魚類に対して内分泌かく乱作用があると考えられましたが、いずれの物質についてもヒトへの有意な影響は認められておりません。
- 内分泌かく乱作用としての影響は明らかになっていませんが、内分泌かく乱以外の毒性を持つこともあり、例えばダイオキシンやPCBなどは以前より規制の対象となっています。近年では、ノニルフェノールが水生生物保全環境基準の項目として新たに追加されました。
【内分泌かく乱化学物質がクローズアップされてきた経緯】
日本国内で製造・輸入されている化学物質は6 – 7万種あるといわれています。これらの物質は、現代人の生活には欠かせない存在となっています。
しかしその一方で、これらの化学物質が、何らかの経路で環境中へ放出されることにより、人をはじめ、生態系に脅威を与えていることは明らかな事実です。
1996年、米国の科学者シーア・コルボーンらによって「Our Stolen Future」(奪われし未来)が出版されました。この本の中で、環境中に放出されたホルモン類似の化学物質が生物の内分泌代謝を乱し、生殖などに影響を与える可能性を指摘しており、以後の環境ホルモン問題の礎となっています。
【ムラタの取り組み】
一般的に、内分泌系に影響を及ぼす化学物質は、環境中での濃度が微量です。また、プラスチックの原料に含まれる物質が多いため、試料採取・分析には細心の注意が必要になります。このため高度の技術と高感度な測定機器が必要になります。
ムラタは、最新の測定機器を使い、長年の環境調査から培った技術と経験により大気、環境水、下水等のさまざまな試料中の分析調査を承っております。
【使用する測定・分析機器一覧】
- ガスクロマトグラフ/二重収束型質量分析計(HRGC/HRMS)
- ガスクロマトグラフ/四重極型質量分析計(HRGC/LRMS)
- 液体クロマトグラフ/タンデム質量分析計(LC/MS/MS)
- 誘導結合プラズマ/四重極型質量分析計(ICP/MS)
(写真:ガスクロマトグラフ/四重極型質量分析計(HRGC/LRMS))
【関係法令等】
- 大気汚染防止法(e-Gov法令データ提供システム)
- ダイオキシン類対策特別措置法(e-Gov法令データ提供システム)
- 水質汚濁防止法(e-Gov法令データ提供システム)
- 海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律(e-Gov法令データ提供システム)
【関連WEBサイト】
- 化学物質の内分泌かく乱作用(環境省HP)
- 化学物質の内分泌かく乱作用に関する情報提供サイト(環境省HP)
- 環境ホルモン学会