低周波音
【低周波音とは】
耳で聞こえる音の範囲(可聴音域)は、一般に周波数が20 – 20kHzといわれています。近年、低周波音として問題になる音は、この可聴域の低い周波数範囲から、可聴域の下限を下回る周波数範囲のものをいいます。
- 「低周波音」(Low Freqency Noise)とは、周波数がおよそ100Hz以下の音のことです。
- 可聴音域の下限以下の音を「超低周波音」(Infrasound)と呼びます。
- この「超低周波音」も、低周波音に含みます。
- 分析対象となる周波数範囲は、1/3オクターブバンド中心周波数で1 – 80Hzになります。
【低周波音の動向】
低周波音は、産業が活性化してきた30年程前頃から、ディーゼル機関や送風機などの機械や施設から発するものとして、問題となりました。近年では工場や大規模ショッピングセンターと住宅地が近くなることにより、空調室外機などから発生する低周波音が問題となっています。
現在、低周波音に関するマニュアル等として「低周波音の測定方法に関するマニュアル」、「低周波音問題対応の手引書」等が整備されています。
【低周波音の問題点】
低周波音は、人体に対しての生理的・心理的な影響、建具等に対する物的な影響等があります。
- 生理的影響 <頭痛、吐き気、耳鳴り>
- 心理的影響 <いらいら感、圧迫感、食欲不振>
- 睡眠影響
- 物的影響 <家具、建具(戸、障子、窓ガラス等)の振動、置物の移動>
【ムラタの取り組み】
ムラタの調査・分析の技術は、低周波音の環境への影響調査の場面で活躍しています。現況の低周波音調査から、低周波音の低減対策まで、お任せください。低周波音にお困りの際は、ぜひ、当社にお声をおかけください。社員一同、お待ちしております。
- G特性音圧レベルの算出
低周波音圧レベル計の出力をデータレコーダーに記録し、周波数分析器でG特性音圧レベルを算出します。低周波音圧レベル計の内部メモリに保存された周波数バンドごとの瞬時値をパソコンに取り込み、G特性音圧レベルを算出します。 - 周波数分析 低周波音の測定時に、周波数分析器を用いた1/3オクターブ分析を行います。建具にがたつきが生じる閾値と、人体に影響を与える感覚閾値とは異なるため、周波数成分を調べることで、原因の追求と対策が可能になります。
【測定機器】
■表. 当社で主に使用する測定機器
機器名 | メーカー | 型式 |
低周波音レベル計 | リオン(株) | NA-18A |
データレコーダ | ソニーマグネスケール(株) | PC-204AX |
1/3オクターブバンド分析器 | (株)小野測器 | DS-2000 |
【用語解説】
- G特性音圧レベル
超低周波音による人体感覚を評価するための周波数補正特性として、1995年3月にISO-7196でG特性が規格化されました。
超低周波数音を対象とするため、20Hz以上の音の成分を急激に減衰させ、20Hz以下の特性は、10Hzを基準とした人の超低周波音に対する感覚閾値をもとに決められています。
G特性音圧レベルが90dBを超えると、心理的不快感または生理的影響を与えると言われます。
【関連WEBサイト】
・低周波音の測定方法に関するマニュアル(環境省HP)
・低周波音問題対応の手引書(環境省HP)
・低周波音対策事例集(環境省HP)
・風力発電施設から発生する騒音等測定マニュアル(環境省HP)